・本が大好き
・歴史が大好き
書物はときに歴史を作ります。
世界に文字が生まれた時から、人間は時代を超えて、思想や考えを後世の子孫に伝えることができるようになりました。
石板から紙に、紙から電子へと、媒体は変われど書物という形で残ります。
過去の偉人の考えや言葉を現代の人が読めるというのは、非常に興味深いものです。
今読んでも、人の心を動かすことがあるということは、当時の人にとっては、大きな衝撃だったことも否めません。
今回、ご紹介する本は、歴史を大きく扇動した奇書について、書かれた一冊です。
概要
いわゆる一般的な奇書ではなく、著者が定義した奇書が紹介されています。
奇書の定義は、現代では、荒唐無稽として扱われるが、当時は多くの人に信じられていた書物となります。
その定義の中から、当時の人々に特に大きな影響を与えた書物が紹介されています。
また、番外編として、発表当時は、奇書の類として扱われたが、現代では名著扱いとなっている書物も紹介されています。
奇書の内容と、なぜ当時の人が、それを信じて、大きく歴史を動かすことになったのか。
きっと、この本を読めばそれらにワクワクすることは間違いないでしょう。
内容と所感
この本の内容を大きく三つにまとめると以下です。
- 嘘の国の歩き方 ~台湾誌~
- 知のリレーが地球を動かした ~天体の回転について~
- 妄想が現実に ~月世界旅行~
- ①について
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1704年に一冊の本がロンドンで出版されました。
その名も「台湾誌」。
当時のヨーロッパ人にとって、まだまだ極東アジアは未開の地。
中でも台湾は、当時ほとんどの人が知らない地域であり、その本に書かれている奇抜な風習や衣装は多くの知識人を引き付けた。
しかし、その内容は全くのデタラメであった。
著者で台湾人を自称する稀代のペテン師サルマナザールは、如何にして、この本を書くに至ったのか。
そして、当時この本がどう受け入れられたのか。
サルマナザールの半生も含めて、紹介されています。
- ②について
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地動説。
1543年にコペルニクスが「天体の回転について」で発表したその内容は、現代では常識である。
しかし、この本が作られるまでに、何人もの奇人(今では偉人)が、少しづつ観測という手段を用いて膨大な情報を集めた結果である。
決して、一人ではたどり着けなかった事実ですが、それが如何に成し遂げられたのか。
事実が積み重なった結果、当時の常識が崩れ去った時、何が見えたのか。
当時としては、神の領域に踏み込んだこの書物が如何にして、作られたのかがわかります。
フィクションですが、「チ。-地球の運動について-」でも、このような知のリレーを扱っており、おすすめです。
- ③について
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「月世界旅行」は、1865年と1870年にジュール・ヴェルヌにより出版された連作の本格SF小説である。
当時は、宇宙が少しだけ身近な存在になっていましたが、人類が宇宙に飛び出すという発想はまだ一般的ではありませんでした。
これは、まだ、未開の領域である月に最初に踏み込んだ書物となります。
人間が大砲で月に行くというトンデモない内容ではありますが、月での冒険や先住民との出会いや戦いは、当時の人の心を躍らせました。
しかし、フィクションでは終わらなかったのが、この本の凄いところです。
この本に魅せられた科学者たちが、後にロケットを作り出し、本当に月面着陸を実現させていきます。
この過程は、胸に迫るものがあります。
ここで扱った三冊以外にも沢山の奇書が、本書では紹介されています。
いずれも、本の概要だけでなく、経緯や時代背景など、多くの人の心を動かし、歴史を動かしたことが書かれています。
言葉は人を動かす原動力になることが、改めてわかる一冊です。
最後に
読書は、自分の世界を広げてくれます。
ワクワクする本を読んだ時の感動は、きっと、過去も現在も変わらないでしょう。
「過去にこんな本があって、世界をこのように動かした。」
中々、あるようでなかった本だと思いました。
またまた、読書の面白さを広げてくれた一冊だと思いました。

